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つむじ風食堂の夜 [ちょっぴりお疲れのキミに]

ひんやり冷たい空気の中・・・
マフラーをぐるぐるまいて、顔をうずめながら、足を震わせながら、
歩く街は、なんだか素敵に見えるんですよね。

エレカシ宮本さんが、久々に街に出たら、みんな冬の装いで素敵だった、
みたいなことを前にしゃべっていたけれど。なんかわかるなその感じ。

私にしては珍しく、原作を読んでから映画を見ました。
「つむじ風食堂の夜」

ほっこりしたステキな物語。。っていう気持ちで読んでいたけれど。
なんか妙に、グサっとつきささってググっと深く入ってくるポイントがある、そんなお話です。

何よりも、食堂だったり、喫茶店だったり、その情景の描き方が美しい。
想像力に余ほど乏しい私にとって、文章を読んで、
空間や人物をイメージすることは、なかなか難しいのですが。
この物語は、その食堂やおうちや主人公や、読んでいるときに、
リアルタイムで映像として、自然と浮かび残る。

現実にあるようで、ずっと遠いところにあるようなその街の、
不思議で懐かしい風景。

だからこそ、映像化がとっても楽しみでしたが、
もちろん「いやっオレンジの置き場所はここじゃないでしょう。」とか
「屋根裏部屋なのに意外と広いのねっ。」とか。
自分の頭の世界と食い違う部分はあるにせよ、
そのなんともいえない非現実世界の情景は、とても鮮やかに表現されてました。

ここから下はそのポイントのネタばれです。
映画や本を読みたい方は、ここまでで読んでから下を見て下さい。
追伸:果物屋の青年を演じている「芦澤興人」さんとっても気になります。もっともっと映画見てみたいです。

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

  • 作者: 吉田 篤弘
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 文庫



つむじ風食堂の夜 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
  • メディア: DVD




ここってなんでしょう。
なんだか異次元の世界に自分が飛んでいく感覚を味わいます。
ここは果てがあるからここがあるんだ。
果てをずっとずっと遠くにもっていけば、ここは果てしなく大きく広がる。
そしてここは消滅する。

はっとしました。あれって思った。
ここはどこ。私は誰。まさにその状況である。
でも、私はここにいるよ。どこにも行かないここにいるよ。
そう強く伝えたい気持ちがあるんだ。
ここにいることが=私なんだって思う。
ここではないどこかにいる私は私ではないんだろうな。
だから、ここが好き。

年をとるということは、己が消滅することだ。
壁に同化して、最後には壁の中に消える。

自分がどうなりたいかとか。ああなるためにはこうしなきゃとか。
自分にはない何かを目指して、突っ走ってきた。
でも、それはいつのまにか、自分ではなく、
社会に取り込まれて、社会から自分を見るようになってた。
そして、その自分に愕然とするでもなく、これでいいんじゃないかってなる。
まさに、今の私はこの年をとっちゃった記念イヤーなのかもしれません。

最後には、静かに静かに世界へ溶けていく。

1番星が、やがて沢山の星に拡散して、最後には黒く深い夜空に溶ける。
人生ってそんなものなのかもしれませんね。

でもね。
私が惹かれる感じって、
きっとこれでいい。どうでもいいかなってなってないんだな。。
人には幸せのかたちが、いろいろあって。これでいいって思える幸せもあるけど。
人間だったら、大物だって小物だって、みんなみんな壁に同化していくけど。
そこで、いやっまだ同化したくなんかないんだぞっ!己は己だ!!
と、必死にもがいて、精魂使って叫び続ける。。
そんなかっこ悪いかもしれない姿に、一番心を持ってかれる気がします。
(エレカシでいうと。EMI時代でしょうかね。。)

私もまだ、どうでもいいってなれないな。
だったら、めいっぱい抵抗してやろうじゃないか。
同化するその日まで。。
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